今週は録音の仕事が多かった。うちでこの位くるのだから他では目の回る忙しさだろう。録音作業が終わると大抵MIX、マスタリングとなる。編集作業ではバンドの皆さんがモニターSPの前であれこれ注文を付けてくる。折角苦労して録った自分のテイクをより良く仕上げたいのは誰もが思うこと。気持ちはよくわかる。しかし狭いMIXROOMに数人が入るとそれぞれ聞く位置も違って、聞こえ方も違ってくる。ここでバンドのミーティングになることもある。残り2〜3時間で数曲のMIXではできることは限られてくる。しかし何か注文を付けられればだいたいはやらなければならない。簡単なことならばいいが時間のかかることもあり、やったことが逆効果になることもある。そのうちに時間切れとなりエンジニアがやりたかったことができなくなることもある。そうなると延長、料金も上がってくるがエンジニアも疲れているのでまわりの意見を聞いたうえで簡単にまとめの作業に入る。出来上がりはエンジニアもバンドの連中もかなり妥協したものになり納得のいかないものになりがちだ。一日で完成するレコーディング作業に多くを求めるのは間違いだ。数日のセッションでもバンドの総意をまとめるリーダーがひとりMIXに付き合うのが理想だろう。所詮演奏者とエンジニアは聞き方が違ってくる。仲介者が必要ということだ。エンジニアは演奏者が演奏できやすいように、演奏者はエンジニアが集中できるように協力すると良いだろう。

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