携帯型MDプレーヤーやiPODが普及してモバイル型の音楽鑑賞が主流になりつつある。音楽以外にもノートパソコンで映画やスポーツも見られるようになり家にいなくとも好きな時間に好きなことが出来るようになる。以前は映画館にいなくても自宅で映画がみられる時代になったと喜んでいたのに。そのうち人々は自宅や自室という限られた空間を持つ必要がなくなる時代が来るかもしれない。魚のように自由に海を泳ぎまわり、鳥のように何処へでも飛んでいける。素晴らしい時代。ただ変わら(れ)ない物もある。1日は24時間で、睡眠と食事が必要でそして何より人間には感情という厄介なものがある。もっともこれがなかったら人間ではなくなる。さて長い前置きは終わりにしてヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聞くことは私の場合ほとんどない。環境的なこともあるが空気を伝わった音を聞きたいから。イヤフォンで聞いてる人たちからみればLIVEがそれに値するのかも知れない。頭内定位は録音現場の意図とは大きく外れる。もっとも時代が変わればそういう録音方式も出てくるかもしれないが。音楽を愛する人たちのほとんどは音質自体には無頓着だと思う。音のいいイヤフォンを探してる人はあまりいないだろう。本物の低音なんて要らないのかもしれない。音楽の本質は充分伝わるのだから問題ない。これは時代の流れでオーディオの衰退は必然なのかもしれない。ただ無くなることはないだろうし好きな人は昔の名機をメンテナンスしつつ楽しめば良いだろう。大量生産ではない、モノ作りの確かな時代の名機たちは録音現場の意図まで忠実に再現してくれる。さらに製作者の音楽的センスが再生装置に充分に反映されているから、血が通った暖かい世界が再現される。やはり自分の部屋は必要かもしれない。

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