ジミーウエッブは正確にはシンガー&ソングライターだ。自らのアルバムも結構出てるしそれらが90年代以降に再評価されているという。私も何枚か持ってるし、気に入ってるものもある。しかし商業的にはほとんど売れずシンガーの部分は寂しい評価になっている。なんと言っても歌がうまくないのが原因だろう。しかし味わい深いものがあるのは確かだ。彼の場合天才作曲家といわれる場合もあるがそれは違うかな?と思う。何故なら彼の作る曲は歌詞と一体となってある情景を感じさせるものだから。彼自身も歌詞の重要性を指摘している。やはりソングライターと言うべきだろう。バカラックより一世代若く67年に弱冠21歳でフィフスディメンションに書いたUPUP&WAYでグラミーを独占する快挙。ビートルズのHeyJudeより先にマッカーサーパークで7分21秒のシングルを製作し全米2位に。恋はフェニックスで2年連続グラミーを受賞と華々しいデビューをかざっている。その後ブロードウェイミュージカルの制作、映画音楽、有名歌手の作家プロデューサーとして活躍。以上CDを買えばついてくる解説書にはだいたい同じような事が書いてある。まさにボーカル以外では万能選手だったわけだ。しかし一般聴衆には彼の知名度はバカラックに比べイマイチぱっとしない。バカラックだって歌は歌っていない。では何故、華々しいデビューのわりにその後ぱっとしなかったのだろうか。いい作品も書いてるのに。彼は悲観論者で彼の私小説的な歌詞がアメリカ人に受けなかったとか。美しいが暗めのサウンドがそれに輪をかけたのかもしれない。あるいはアメリカの影の部分を歌っているからかもしれない。誰も悲しいことは思い出したくないだろう。ただ彼の場合歌手やミュージシャンからは絶大なる人気で、正当に評価されているようだ。ジミーウエッブを全く知らない人は一度グレンキャンベルの歌った恋はフェニックスを歌詞を見ながら聞いてみると良いかもしれない。映画のような情景が浮かび上がってくるだろう。

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