USPOPの傑作!ERIC CARMEN 1st (1975)
2005年10月28日 音楽
ERIC CARMENはラズベリーズの中心人物で作詞作曲、ボーカル、ギター、ピアノを担当。小さい頃から正式に音楽教育をうけピアノ、ヴァイオリンを習得、思春期以降エルビスやビートルズの音楽に衝撃を受けギターに持ち替え幾つかのバンドを組む。70年代に入りラズベリーズのGo all the wayが全米BEST5に入りメジャーで成功を勝ち取る。74年までラズベリーズで活躍。解散後75年ソロアルバム発表となる。歌唱力がいまいちのジミーウエッブとは違いボーカル、ソングライティング、アレンジ、演奏全て一流のアーティストだ。因みに男性ヴォーカル部門でグラミーを獲得したこともある。Go all the wayはビートルズとビーチボーイズとWHOを足したような曲調でボーカルスタイルはエルビス。複雑な一曲の中においしい要素が沢山含まれているよく出来たPOPSONGだった。ラズベリーズは彼の作品力が全てで、演奏や録音も荒く骨太でPOPな面はあったが、一線級のBANDとは言えなかった。彼が本来の才能を発揮したのはソロになってからであろう。満を持して発売されたこのアルバムは全ての曲がアメリカンポップスのスタンダードになり得る魅力をもっていた。ラズベリーズ時代とは比べようもないくらいの格調高さと品格を放っている。但し個人的には次のセカンドアルバムが彼の最高傑作だと思っているが、一般的と考えればこちらが彼の音楽の頂点と考えていいだろう。バリーマン、レイバー、ストラーのOn Broadwayのみカバーで全てオリジナル。有名なAll by Myselfはこのアルバムのみで7分15秒の完全版を聞ける。シングルVERは間奏が大幅にカットされている。この間奏はラフマニノフの2番ピアノコンチェルト風のオリジナルで当時話題になった。その前の曲Never Gonna Fall In Love Againは同じくラフマニノフの交響曲2番3楽章から巧にモチーフが引用されている。この曲に関してバカラックみたいに後世に残る作品を作りたいと考えているといったインタビュー記事を見たことがあった。こういった才能の持ち主が今は埋もれてしまっているのは大変寂しいことだが、それは彼自身ショービジネスの世界に疲れてしまったからなのかも知れない。いろんなミュージシャンが彼の曲をカバーすることによって昔のアルバムが再評価されるは救いである。
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