先日、TVで市民オーケストラがベートーベンの第9を演奏するというドキュメンタリーをやっていた。指導者(指揮者)はおそらく70歳はこえてると思われるおばあさんだったが、日本のクラシック業界では有名な指導者の方だそうだ。とても年齢には見えず若々しくエネルギッシュな指導で素人同然の団員を短期間にまとめあげていく。そしてその過程は感動ものだ。音楽が一つにまとまらず、ばらばらに響いていることに業を煮やした指揮者は譜面を見る事を禁ずる。初めは演奏することを止めてしまう団員もいたが、練習を続けていくと格段に響きがまとまってくる。最年少の小学6年生のバイオリン奏者の女の子は自発的に自分のパート譜のみでなく全てのパート譜を親にかってもらう。他人がどう演奏するのか知る事によって自分の役割を確認する。本番で初めて合唱を入れて演奏された公演は大成功だった。あるリンゴの産地の高校で、音楽顧問の先生は大のJAZZファンだ。自分の7500枚のCDの中から生徒たちが演奏するに相応しい2曲を選んだ。こちらもコンクールに向けた猛練習が放課後、授業開始前の早朝に行われる。先生が選んだのは決して易しい曲ではない。果たして演奏できるのだろうか?生徒たちが苦難を乗り越え無事にコンクールを終えるまでの道のりを感動的に描いている。二つのドキュメンタリーを見て感じたのは、この年代、子供から大人にかけての年代の習得力や創造力、集中力のもの凄さだ。そしてそれを支えるのは優秀な指導者の存在。この大切な時期にどれくらい適切な指導を受けたかは、その人のその後の人生に途方も無くおおきな影響を与えるといえる。そういえばスポーツでも音楽でも一流の人間には必ず優秀な恩師といえる人がいるようだ。
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