水戸黄門は(残念ながら亡くなっているが)1代目と2代目がいい。というよりそれ以外は見る気がしない。いま4時から再放送でやってるのは2代目かな。これもパート2(2代目の中の)でパート1の方が面白かった。

黄金の1パターン時代劇だが良くできている。だいたい40分過ぎくらいからチャンバラが始まって2~3分やって例の紋所が出てきてハハ~となって幕が降りる。フイルムの関係からか70年代の映像そのもので、バックの風景がいい。現在放映中のさらっとした高解像度の水戸黄門より数段味があり深みがある。勿論役者さんのマッチングもある。ストーリーが読めてしまっても飽きずに見てしまうのは日本人のメンタリティに訴えるものが全て揃ってるからだろう。主題曲も「う~ん」とうなってしまうほど歌詞も曲もいい。最近気づいたがリズムは完全にボレロだな。

同じようにアメリカ版1パターンドラマに刑事コロンボがある。こちらはサスペンスだが犯人探しではなく殺人の方法論やアイディアを探ることをメインにしていた。だから大半の視聴者は前半で犯人がわかってしまう。それでも面白いのはその謎解きの奥深さ故だ。そういえば主演のピーターフォークは現在高度の認知症だとか。時の流れははかないものだ。

日米2大傑作ドラマだが共通してるのは、、毎回毎回段取りが1パターンを延々と繰り返していること。それでいて風格があり奥行きがあり次も見たいと思わせてしまうこと。逆に対照的なのはアメリカ人と日本人のメンタリティの違いで、日本は人情、正義感、道徳観、アメリカは犯人を罪人として扱ってるのではなく、心理の奥深さや駆け引き、謎解き(トリック)の面白さを存分に味あわせてくれる。これは両国の人間性のベーシックな違いと理解する。そして日本でコロンボが受けた理由は日本人の頭脳のキャパシティーの大きさじゃないだろうか。江戸から明治へ西洋文化をスムーズに受け入れることができたのも日本人独特の感性の賜物だろう。

ところで現在、そんな魅力を持ったTVドラマはないように思う。日本のサスペンスなんて最後まで見る気にならない。制作者側のレベルが下がったのだろう。

もっともこれはドラマばかりではなく音楽でも言えることだ。欧米も日本も他のアジアも流行りものに関しては聞きたいと思うものはあまりない。そういえばCDのセールスがかなり落ちてるそうだ。それも当然のことだと思う。

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