2重の扉

2005年10月4日 お仕事
スタジオというと防音ということになる。入室する時には重い扉を2枚開けなくてはならない。しかもかなり重いのでなかなか開けた時に静止してくれない。これは仕方のないところだ。しかし1ポイントで止まることは止まる。お客さんはなかなかこのポイントを探すのが難しいようだ。この開け閉めにはくれぐれも注意していただきたい。ところでこの扉かなりの優れもので、なにが優れているかと言えばその防音性能である。ソングサイクルの場合はD40とD30の2枚だがこの数字はdb(デシベル)を指す。つまりこの2枚閉じることによって70dbの防音効果がある。これはかなりのものだ。室内で90dbで演奏していても20dbしか漏れがない。実際ラウドな音を出すBANDが演奏中に仲間の一人がトイレに出たとすると、ドアを開けた時の騒音は物凄いものがある。但しドアを閉めてもちゃんとロックしないと音はかなり漏れてくる。その小さな隙間を埋めることが優れた性能へと繋がる。2年前に3室増設した時、最終的な防音テストでかなり音漏れがみられた。これではスタジオにならない。業者がきて一日で改善処置。見た目は何も変わらない。しかし音漏れは大きく改善されていた。徹底して隙間を充填したのである。じつはこのような細かい詰めの作業が最終的な出来を左右する。これらは実にアナログ的で職人芸的な世界である。こんなことに最近は心惹かれてしまう。一時が万事なのは言うまでもないだろう。

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