クオードといえば、昔あこがれのESL63を思い出す。
20年以上も前、メインSPを物色していて、KEF105(2)とESL63
のどちらか迷ったが、結局予算と自分の聞く音楽の相性でKEFを選んだ。
御茶ノ水のオーディオユニオンだったかな。でもその時、ESL63で聞いたバロック
音楽の弦楽合奏の響きの生々しさは今でも忘れない。

そんなクオードが箱型の普通のSPを出したのは知っていた。
小型サイズだったので気にも留めなかったが。
サブのSPにコンチェルチーノを買ってから対極的なものが欲しくなっていた。

さて運よく安値で購入できた。購入したのはバーズアイズメイプル。
とても綺麗な仕上げだ。秋の夜長にじっくり聞いてみた。

低域は良くしまり力がある。中高域は綺麗に磨きぬかれた洗練さを
感じる。低中高とバランスが絶妙で過不足なく出ている。

いつも古いSPばかり聞いてるせいか、その音には現代的な進化を感じた。
温度感はやや涼しげな清涼感を感じさせるが、冷たくはない。
春ではなく秋の澄んだ空気感。

これを聞いた後にコンチェルティーノを聞くと、中低域のねっとりとした
甘さ、女性VOの妖艶さがやや品を欠く部分もあるかな。
でも対照的な音造りでお国柄もあるのだろう。

性能的にはクオードが上だろうが、どちらも魅力的なSPだ。
今度は是非、日本的な色彩のSPを聞いてみたい。

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