最近久しぶりで電車に乗る必要があり、またしばらく続きそうなので携帯型デジタルプレーヤーでも買って時間を過ごそうかと思い色々と物色していたが、ほとんどは圧縮FILEを聞くタイプで最高の音質でもWAVということで、それならと15年前に買って最近はほとんど使っていなかったSONYの再生専用DATウオークマンをひっぱりだしてきた。

DATの音質はCDよりも素直で綺麗だと今でも思っている。まあウオークマンだから差し引きはあるかもしれないが。エネループの単3電池2本を入れて昔録音したDATを聞いてみた。大型のヘッドフォンで聞いたがなかなかよかった。これなら使えそう。でもインナーイヤー型のイヤフォンでないと外ではかさばる。

そこでイヤフォンを買うことにした。どうせなら最高のものが欲しい。たかがイヤフォンだが〜最高となると何と5万円(E5C)くらいする。MIXROOMでたまに使ってるのはSTAXのコンデンサー型イヤースピーカー。なかなかいい製品だ。音はウオームでやや繊細。聞き疲れはしない。けれど専用のアンプBOXが必要で便利ではない。これが今まで最高のイヤフォンと思っていたが、最近の携帯、デジタルプレヤーの進歩、生活スタイルの変化はイヤフォンにもいくつか傑作を誕生させてるらしい。

価格COMやアマゾンのレビューを見たりしてると是非欲しくなってしまった。BEST100とか見てみると自分の使ってるSTAXのものがまだ生きていて3位に入っていた。これより上が二つある。SHUREのE5C,Etymotic ReserchのER-4SでShureのものは新しいモデルに替わってる。ER-4Sが欲しい!しかしサウンドハウスで24000円、ネットオークションで中古が18000円位で落ちてた。中古が出るのを待つか?そうこうしてるうちに、E5Cと同じパーツを使い日本で生産されたとされるINCORE社のイヤフォンがオークションに安く出ていた。HPの製品紹介を見てみると、オーディオより携帯電話等で騒音の中でもよく聞き取れること、また何とマイク内臓で生活の中の便利グッズとして紹介されている。要するにいい音にはいい環境が必要で、騒音をシャットアウトする事からスタートするという発想。

オークションの値段が安過ぎたのが気になったが購入してみた。一聴してカチっとクリアで鮮度が高く品位も高い音。しかし音量がある程度までしか上がらない。それと低音が少なめ。騒音がないからそれで十分というのがメーカーの主張だろう。確かにこの音量なら耳には優しいし音楽も疲れずに楽しめる。実はこれと同時にもうひとつ衝動買いしてしまった。AKGのK324P。AKG初のカナル型イヤーフォン。AKGといえばもうマイクやヘッドフォンで傑作をいくつも出しているので間違いないだろう。実際聞いてみると、低域も含めオーソドックスなバランスで、音の粒子が細かく切れも解像度も十分。これで何が問題?と言えるほどの音だ。5〜6万円のヘッドフォンに匹敵する音と感じる。これは音量も十分上げられる。

前から感じていたが、耳に入れるタイプは鼓膜からの距離が非常に近いため設計しだいでは凄い優秀なものが出来る可能性が高いと思う。問題は音場の空気感をどう出すかということかな。しかしそれは、もともとソースに含まれていれば問題ないのではないだろうか?そうなると究極の繊細感と言われるER-4Sが気になる。
かなりよく聞くアルバム。アンマレーのクルーニン。
内容はPOPSとJAZZのスタンダードナンバーをアンマレー風に歌ったものである。

特に好きなアルバムというわけではないが、オーディオセットで変化を加えたとき、ケーブルの音質チェック等にかなり重宝してる。

アンマレーは実にオーソドックスなアレンジを好むようだ。だからエフェクティブなものとか、新しい響きを与えるとかほとんど興味はもってなさそうだ。伝統的なPOPS歌手そのものの良さを味わえる。70Sに何枚もアルバムを出していて、そのほとんどを持ってるけれど音楽的にはその頃が一番好きだった。

90年代に出したこのアルバムも本質的にはPOPSに仕上がっていてJAZZっぽいわけではない。音圧も高めで今のものとかわらない。楽器そのもの、声そのものがオーソドックスなアレンジに支えられ、地味ではあるが、時代に左右されない良さをもっている。アコースティックギターやピアノの音がしっとりと、アンの落ち着いた声質を支えている。

オーディオを意識したとき、最初帯域的には中域に耳が行くのが普通だろう。つまり声の帯域である。たとえば女性VOが甲高くメタリックに聞こえるようだと長く聞いていられない。次に中低域が重要だ。バスドラムのアタックがBASSに埋もれたり、もやもやしたBASSが聞こえたら全体に抜けが悪く聞いてて気持ち良くなれない。VO(中域)とのバランスも重要になる。これらにDRUMのハイハットやシンバルが心地よくからむと音楽が気持ちよく進行していく。さらに遠くに弦楽器や管楽器が彩りを添える。

このアルバムは例えばこんな風に意識しながらオーディオセットのバランス、音色等チェックする時に全く都合のいいアルバムだ。だから新しい機材(パーツを含めて)が自分のセットに入ったときは、このアルバムを聞くことが多い。
最近エソテリックのCDプレーヤーX-1sを中古購入。程度は中古としてはすごくいい。それまで使っていたケンウッドのL-D1がモーターの音が煩くなってきたので、そろそろ交換時期かなと思った。その間に、SONYのSACDプレーヤーもあるのだがSACDのソフトは少なく、かといってCDプレーヤーとしてはL-D1のキャラクターの方が好きだったので出番がなかった。

CDは私の音楽鑑賞の中心だ。以前はアナログが(カートリッジを20個くらい使い切った)中心だった。ソフトが出なくなってCDに変わっただけである。道具に拘ることはないが、機種によって音楽の聞こえ方がかなり変わって聞こえるので、好みのものにたどり着くまではいろんな機種を使うことになる。出口より入り口(上流)重視と何故か決めてるので、パワーアンプなどはあまり変わらない。大事なスピーカーも一度決めたら長年使う。現在のメインは20年以上変わらない。それに何といっても大きいもの、重いものは頻繁に動かしたくはない。

さてCDプレーヤーだが、現在家にあるのを数えてみたら6台。うち4台はトップローディング式、4台は20kg前後の重量級のものだ。1台は貴重なベルトドライブ式。気がついてみたら不思議だが、トランスポート専用は1台のみで、残りは一体型なのだが、すべて外部DAコンバーターにつないで使っている。それでDAコンバーターも結構ある。もしかしたら一体型のDA部分の方が高級なのかも知れない。特にL-D1の一体型としての音質はWETで魅力的だ。

じゃあ何故、外部DAを使うのか?クロックの問題である。最近、高精度クロックに交換すると音がよくなる?という事が言われている。デジタルの要はクロックだと。確かに時間軸は大事だろうと想像はつく。でも〜十万もする高級機なら高級なクロック発生器が使われているんじゃなかろうか?と思えばそうでもないらしい。へたすると数十円のパーツが使われてる可能性もあるということだ。そこでクロックを高精度のものに交換すると、今度はメーカー修理が受けられなくなるというジレンマがある。そうなると、困るので(モーター、トレー、ピックアップは消耗品でよく壊れる)なかなか改造は難しい。

そこでアポジーのBIGBENやインフラノイズのCRV~のような秘密兵器を使うことになる。そして実際使ってみると劇的に音は変わる。これは大雑把にいえばトランスポートからでたデジタル信号からクロック信号を抽出して正しいクロックに整形しDAコンバーターに送るというしくみだ。だから常にトランスポートとDAコンバータの間に置いておく事になる。

ずっと使っていて効果も感じてるが、この頃はさすがに面倒くさくも感じてる。電源も必要だし、BIGBENは単体だが、インフラ〜は2台1セットでかさばるし、クロック整形の為だけに2台分の場所と電源と接続が必要になってくるのだ。

音楽を聞くときはシンプルな操作で、いい音が再現されなければ音楽よりもオーディオに意識が行ってしまう。そういう意味では
一体型CDプレーヤーを高精度クロックに改造するのが、一番いいのかもしれない。価格も安くすむ。
スピーカーをKEFにしてから、FOSTEXのチャンネルデバイダーEN3000を使って調整、音楽を楽しんできたが、ASHLY4001が安く手に入ったので、こちらも試してみた。EN3000に不満があったわけではない。

EN3000はアンバランス仕様の接続で左右独立して調整することはできない。ASHLYは上下2ケースに分かれているのか、左右の調整分のPOTがあり周波数、レスポンス、GAIN,レベルを左右別々で調整可能になってる。MONOブロックということだろうか。接続もバランス接続になっておりノイズには強いはずだ。

実際音を聞いてみると、EN3000は国産の切れのよさ、透明感が好ましい。一方ASHLYの方は左右奥行きが広く展開しスケールが大きい。低域も十分に豊かになる。これはバランス接続のメリットかも知れない。4本分のバランスケーブルを作るのは大変だったが音はなかなかよかった。

チャンネルデバイダーを使って思ったのが、意外と便利な機能があったのが面白かった。EN3000には位相切り替えスイッチが3分割分ついており、聴感で決めていくのだが、必ずしも全部揃えるのがいいとは限らない。ASHLYはバランス接続のせいか?位相切り替えはできない。おかしければ、ケーブルとユニットのプラスマイナスを付け替えるしかない。いずれにしても、上中下の分岐点、それぞれの音圧を自由にコントロールできるのがいい。この使い心地は丁度RECMIX等で最後のマスタリング時の帯域分割型トータルコンプみたいで、まるでTCワークスのMASTER Xのような感覚でいじれるのがいい。プリアンプC2301はトーンコントロールを持たないので助かる。大抵は高級アンプのトーンコントロール(EQ)は細かい調整ができないとか、変化幅が少ないとか高級型ゆえの不便さがあるので、チャンネルデバイダーの機能はおおいに役に立つと思う。
昨日は午後から夜遅くまで、スピーカーやアンプの接続変更、改造に苦労していた。簡単に終わると思っていたマルチアンプセッティングだが、SPの改造に手間取った感じだ。

KEF105はウーファキャビとスコーカーツイーターキャビが別々になっており、それぞれリニアフェーズ化されている。後に出てきて一世を風靡したB&W801をややスマートにした感じだ。当時としては音質重視の革新的なSPだったわけだ。ウーファキャビに全てのネットワークとツイータースコーカーキャビには過大入力防止用のリミッター基盤が備え付けられている。今回はそれらをすべてバイパスし、ユニットからパワーアンプまでは直結となる。勿論ここではお気に入りのVINTAGE WIREが使える。

上のキャビに2箇所穴をあけ、ケーブルの端子を取り付けるのだが、手持ちがないので直出しとする。穴あけ自体は簡単だった。ウーファキャビは既存の端子をそのまま使うことにした。しかしワイアーは変える。長年の間に内部配線は変えてるので、さらに上を目指す事になるが上昇率はそれ程期待できない。ネットワークが外れる事と、EN3000が入ることでの差し引きで、音がどう変るかというところだろう。

プリ(サンスイC2301)と3台のパワーアンプ(アキュフェーズ他、MOSFET窪田式等)の間にEN3000が入るわけだが、あくまでTRYの意味合いなので良くならなくとも後悔はない。昨日よる遅くまでユニットへのハンダ付けや、アンプの接続で時間がかかり、音だしまではこぎつけたが、片chから出なかったりトラブル続きで、ちゃんと音が出たのは深夜0時をまわった頃。今日から仕事なので、ゆっくり試聴できるのは、今週末かな。

ちょっと聞いた感じでは、音はニュートラル、中低域は解像度が上がって、全体に古臭さは解消された印象。機器間の接続コードを吟味すれば良くなると思う。内部配線にはブラックエナメル系の単線を多用した。ケ-ブルの音質が良く出るシステムになった。それだけEN3000が純度の高いデバイダーだということだろう。時間ができたら、じっくり聞いてみたい。
夏ごろは確かに温暖化が進んでいるんだなあ〜と実感したが、雪や強烈な寒風と寒さを実感すると温暖化は果たしてすすんでるのか?と疑ってみたくなる。

久しぶりにスピーカーを変えてみた。彼氏や彼女をむやみに変えるのは問題が生じる恐れがあるが、SPなんて気分で変えるのは当然気楽なものだ。ここ1カ月で60枚くらいSACDとCDを買い込んだ。私的にはなぜか冬は音楽鑑賞に適する季節のようだ。

前々から思ってたマルチアンプにトライしてみたくなり、まずはチャンネルデバイダーを購入。FOSTEXのEN3000。3WAY可能なデバイダーだ。さすがにいくら安くても中国産ベリンガーは使いたくない。昔はベリンガーも高級ブランドだったのにねえ。試すスピーカーはKEF105(2)。1980年代から使い続けて20年になる。このタイプの12インチフロア型でウーファーキャビサイズが十分とられたタイプは現代ではほとんどない。AEやリファレンス3Aの鮮度の高い音に慣れた耳ではやや古臭く、スピード感に欠けるトロい音に感じる。しかしこのサイズのウーファが醸し出すゆったりした質感や奥行き感は変えがたいものがある。マルチアンプ化では古いネットワークをバイパスできるメリットがある。

早速、音域を測定してクロスを探ってみた。結果、500Hzと2〜3KHzあたりでつながってるようだ。EN3000の切り替えポイントを見てみると、低域が500〜1.2K高域が2k〜8Kで切り替えられるようになっているからぎりぎりセーフ、使えそうだ。問題はキャビに追加4個の穴をあけなくてはならない。中高域のキャビは硬質なプラスチック系にみえる。うまくあいてくれるか。それさえうまくいけば、あとはスムーズにいくと思う。(次回につづく)
SACDを買ってその音場感の広さや生々しさにしたっているこの頃ですが、音源側の高性能化がもたらしたのか、研究が進んだのか本体以外の、オーディオファンが気軽にいじれる音質調整グッズも相変わらず多く、最近のものは良くも悪しくも効果が著しいように感じる。

振動対策系では前にも書いたがFOQのように切ったり貼ったり、スペーサーとしてはさんだり、いろいろな使い方ができて効果を調整できるのが便利。しかし劇薬だからいろんな音楽をかけて、時間をかけて調整しないとかえってバランスを崩すことになる。実際DAC内部のコンデンサーやOPアンプの上に適当に貼って聞いてみると、あまりにも効き過ぎて音がデッドになりすぎびっくりする。テフロンテープではそんなことがなかったが。テフロンテープはすでに漢方薬か?

SCD777のスタビライザーを他社メーカー製の高額(姿かたちからみたら)のものに変えた。MID LOWがへってLOWがさらに下に伸び、中高域の塊がなくなり高域がすっと伸びた。よりフラットになった感じ。クラシックのSACDではいい感じだが、温度感は低くすっきり繊細で音楽が迫ってこない。VOのレンジがややスポイルされ客観的な、のめりこめない音になった。やはり純正のほうがいい。

最近のものが凄いのはその変化の量だ。だから使いこなしにより強力なエフェクター並みの効果を発揮する。

MNNTはCDの静電気防止スプレー。アナログの時代からこの手のものはたくさんあって、CDになっても最近注目されてきている。じっさいアナログ用スプレーをCDにふりかけても、MNNTのような効果は出ない。内部の特殊液体の調合が効を奏してるのだろう。CDの嫌らしさがなくなり、よく言われる上質の(ハイファイ感を伴った)アナログの音になるように感じる。

健康増進グッズの中にもオーディオ用に効果のあるものがある。アルファジーニアス(魔法の)コンセントは電磁波をより人間に効果的なものに変換する効果があるらしい。実際、音質がどう変わるかとかはっきりしたことは言いにくいが、一旦つけると、はずした後は音楽がつまらなくなるということになる。自分的には音楽がSPから浮遊する感覚が好きだ。現在10個以上使ってる。

今一番気に入ってるのが、Bhadoという健康増進グッズ。鼻水が止まらなくなった時に、鼻をこれ2枚で挟み込むようにすると楽になる。寝る時も枕の下に入れる。免疫力がアップする効果があるらしい。プレート状のもので、コースターとして使えば飲み物がまろやかになる。このBhadoのオーディオへの効果も凄い。2枚のプレートを電源の近くに置くだけで、中低域が締まり力強くなる。マスタリングで同じ音源をBhadoを置く、置かないで録音してみると、明らかに違いが出る。電池もいらず使い方が簡単で、いろんな使い方ができるので一番のお気に入りだ。

SACDを買った

2007年12月14日 趣味
明日からグランプリファイナル、楽しみだあ。

さて、気まぐれからソフトが1枚もないのにSACDプレーヤーを衝動買いしてしまった。CDもかけられるから問題は少ないのだが、せっかくなのでSACDソフトもアマゾンで10枚ほど購入。しかし、どれも50年代後半から60年代前半の昔の録音。クラシックの名盤と言われてる物だ。1枚1500円前後で買えるので安い!しかも一度は聞いておきたい名盤ぞろいだ。ソニーもSACD第一号機が出た時、ソフトはロックの名盤の焼き直しが多かった。これにどんな意味があるの?
ずっと不思議に思ってたが、今回届いた復刻版を聞いて、なるほどこれは価値があると思った。音がCDとは一線を画す、音場の空気感、とにかく左右が広くそれに伴い奥行きがでるといった、空間の広さが際立つ。ソニー製で重さが25kgもある。正確にはソニーの2号機に当たるものだが、重さからくるのか、しっかりした低域をベースにしたピラミッドサウンドはCDの方だ。CDだけだと、今までのL-D1にインフラノイズのクロック補正したものの方が、耳当たりが良いし解像度も上かなと思う。でも迫力があり、電源ケーブルやスタビライザーを交換することで、良くなる可能性はある。

SACDの音が、昔の復刻版に合う理由は、名盤のマスターテープに近づくことができるという点だと思う。60年と言えば、50年前の音源だ。それがこれだけリアリティをもって再現されることに驚かされる。昔CDでの名盤復活でワルターやフルトベングラーのもので喜んでたのは25年前、月日の経つのは早い。

SACDが今後、CDの様に普及することは在り得ないが、かえって趣味の道具としてはその方がマニアックで面白い。私の購入したものはマルチch対応ではなく2chステレオのみ、CDの再生にも力をいれたソニー独自の光学固定式の2ピックアップモデル。実際、インフラノイズのクロック補正を試してみると、その音の分厚さはSACDの柔らかで生の雰囲気を漂わせるものとは別の魅力も感じるし以前のL-D1の甘酸っぱさとも違うリアリティを感じる。また、CD再生時に可変デジタルフィルターというマニアックな機能がついてるのも興味深い。
ギターと言ってもアコギなのだが、9月頃マーチンのOOO-16GTを中古購入してから、その音に物足りなさと同時にマーチンの魅惑的な音を感じて、本格的なマーチンのギターが欲しいと思ったのが事の始まり。

その時点ではアコギは2台だった。いろいろ中古市場を物色していくうちに、衝動買いでマーチンではなくYAMAKIのR1000というトップがスプルース、バックサイドがハカランダ単版というギターを入手。オークションで70年代初期のマーチンD-41(ジャーマンスプルース?)を続いて入手。30年使ったKyairiのDY28と合わせ4台になってしまった。その他に昔、知人から譲ってもらったハカランダのガットギターがある。5台のギターはやはりかさばる。近々整理したいと思うが、4台のアコギがそれぞれキャラが全く別物で迷うところだ。

一番値段の高いD-41を処分しようと考えていたが、最近ソロギターを練習していると、どうもその音色の魅力にとりつかれつつある。確かにDY28やR1000ほどの厚みのある低音は出ないし、音もやや軽めだが、中高域のシャラーンと鳴る抜けのよさ、やや柔らかめだがバランスのいい低域と、弾いていて幸せな気分にさせてくれる。ひとつの完結した世界を提示しているような完成度の高さが感じられてきた。変な例えだが、マイクで言えばノイマンのU87、オーディオで言えばカウンターポイントのSA5000のような自然な質感(空気感)が代えがたい。

一方YAMAKIのR1000はかなり傷みの激しいよく弾き込まれたギターで、この中では一番重い。ハカランダが効いているのかザックリした低域と切れの良い高域が気持ちよい。ストロークではD-41より迫力があり、録音した音を聞いてもバランス良く瑞々しく気持ちがよい。音量も一番ある。フィンガーでも切れと解像度がものをいう。ただし、重いのとやや弾きにくいのが難点。ならばマーチンのハカランダものはどうかというと、高級車が買える位の値段だから無理。

OOO-16GTも最初は処分するつもりでいたが、上の2台に比べ当然軽く、凄く弾きやすい。音もダキストの730の弦に変えたら、低域もバランス良く出るようになって、D-41にも通じる高域のマーチン独特の密度感みたいなものが、捨てがたい。

DY28は学生の頃から長年使ってきた思い出のギターだし、これで何曲も自作曲を作ったり、宅録でも使ったギターなので捨てられない。音は良く鳴るし低域も充分でるし高域はニュートラルでマーチンの独特な輝きはないが、造りの良さは上3つに勝るものがある。

と言うことで、しばらくはこの4台のギターと同居となるようだ。
The Stokowski Soundを聞く。ストコフスキーと言えばクラシックの名指揮者、アレンジャーとして有名だが、高尚なクラシックファンには評価が今一なのは残念だ。このアルバムはストコフスキーの編曲したバッハ、ベートーベンを始めとするクラシックの名曲が9曲収められている。テラークレーベル86年の録音だ。
指揮はストコフスキーではなく、エリックカンゼル、シンシナティポップスオーケストラの演奏。

こんなふうに紹介されると、安物のイージーリスニングかと思われるが、決してそんなことはない。名曲、名演奏、名録音と3拍子揃った名盤だ。何といっても録音が凄い。

大編成のオケをたった3本のマイクで空気感を余すところなく拾い上げる。そのダイナミックレンジの広さは怖いくらい。日頃昨今のコンプ、リミッターかけまくりの圧縮音楽になれた耳には信じられない音だろう。弱音部にVOLを合わせて聞き入っていると、あっという間にクレッシェンドしていきSPが張り裂けんばかりに金管が炸裂するといった感じ。思わずVOLを下げてしまう。さらにマイクの本数が少ないため位相ずれがなく、左右奥行き高さの距離感が正確に出る。実際、10畳の部屋が目をつむればコンサートホールとなる。こういうバーチャルリアリティサウンドがハイファイオーディオの醍醐味と言えるのではないか。

80年代中期のテラークはいい録音が多い。今までのお気に入りはチャイコフスキー5番、プレヴィン指揮のものだ。これはやや音楽的な聞き易さが加味されるが、他のメジャー録音のCDに比べダントツに広い音場が感じられる。同じ頃のデンオンレーベルはM&Kマイク使った構成だが、柔らかくしなやかな美しい音でややデフォルメされてるかな?と思える。

しかしこのアルバムをちゃんと聞くには、専用のオーディオルームとリニアリティの優れたオーディオセットが必要かもしれない。
ooo-16GTピックアップ付。オークションの衝動買いだ。ギターといえば、自分の場合全くコレクターではないし、それほどうまく弾けないし、まあ作曲とかの時に使うくらいで、長い間どちらかといえば打ち込み用のシンセとかに意識がいってた。アコギをかったのは学生時代K.yairiのDY-28を買って以来。それで十分満足してこれまで使ってきた。ただドレッドノートは大きいので、oooタイプが欲しかったのは事実。体にフィットするし弾きやすそうだし。DY-28はマーチンのDー28のコピーモデルで、どうせならマーチンがいいと思ってた。実際、届いてみると非常に綺麗で状態がいいし、マホガニーのほんわかしたやさしい音がしていた。ただ、DY-28に比べると、どうしても音量や低音の響きで負けるのは仕方ない。最初はそれで物足りなかったが、なかなか品のある音でそれなりに満足していた。

がしかし、近頃マーチンってこんなものじゃないだろうと思い、上のクラスのものが欲しくなってきた。そうなると高い買い物になるので、それなりの出費の覚悟がいる。それでここ2〜3日ショップのHPやネットの掲示板等でいろいろ調べている。実際に試し弾きするのが一番なのだが、都内まで出るのは億劫。しかし自分の目指す機種はネットでも十分絞られてきた。新品も中古も値段は変わらないというか、古くなるほど価格は高騰してくるが、一生ものはやはり中古狙いにならざるを得ない。新品を買って何十年とならさなければ音が熟成しないのでは仕方がない。

ネットで調べるうちに、最近は70Sフォークリバイバルの影響で、アコギブームであることがわかった。まあ静かなブームではあるが。カッティングしたときのグルービーな音やアルペジオのきらびやかな音など、魅力ある楽器であることは確かだ。ピアノと違って外へ持ち運べるし、アンプもいらない。自分的にはエレクトリックはほとんど弾かないが、アコギはへたながら、長い間弾いている。音の魅力もあるが、弾いた時に体に伝わる振動がとても好きだ。

ちなみに昔9万円で買ったDY-28は現在でも生産されていて18万円くらいの価格が付いている。今回は同じドレッドノートタイプをかうつもりで、昔ポールマッカートニーが使っていたD-18のGEタイプを第一候補で考えているが、Dー41が結構安くでてるので今回も衝動買いになるかも知れない。
自分は物を捨てる事が苦手だ。冷蔵庫の中には期限切れの食物があふれ、部屋にはガラクタが散乱してる。そういえば、パソコンのデスクトップもアイコンだらけで隙間がない。音楽データのハードデスクも余裕がない。録っただけで一度も見ないビデオもたまりっぱなし。古いもの、いらないものを瞬時に判断してすてられる人が羨ましい。

かさばる物と言えば、パワーアンプなんかは重いし大きい。とりあえず使わないのは、処分してしまえばいいのだが、折角2台大きなアンプがあるので試しにバイアンプ接続をやってみた。1台のプリから2台のパワーにつなぐ。SP側が帯域を上下に2分割して各アンプから信号を受け取る。バイワイアリング端子のない古いスピーカーではつなげない。ちなみに1台のアンプでつなぐとバイワイアリングとなる。

さて長年使っていたサンスイの2301からアキュフェーズのP300Vにつなぎこれは中低域用とする。同じくバランストオーディオテクノロジーという最近のアメリカ製のアンプに高域用としてつないだ。(このアンプ低域がかなり甘い)ケーブルが片ch4本になるので煩わしい。

しかし音は凄くよくなった。特に高域の情報量が格段に増えた印象。つながりも悪くない。最初やや高域が多めできつ過ぎるかなという印象があったので、高域用のケーブルをやや太いものに交換したところつながりはずっと良くなった。ガーシュインの「パリのアメリカ人」の出だしの浮き浮きとした楽しげな表情がSPを離れて部屋中にあふれ出る感じ。

ただの粗大ごみ化していたアンプが音質アップに貢献してくれるのはありがたい。でも2台で60kg。発熱も結構多い。でもやはりいい音を聞くと前には戻れないものだ。
昨日は以前購入したマルチトラッカー2488で唄録りをしていた。8時間くらいやっていたかな。はっきり言ってヘタクソなので数十箇所パンチイン。それで時間がかかるのだ。ただしスタジオで仕事の合間にやるのとは違い自宅だとじっくりリラックスして取り組めるのがいい。

セッティングはマイクプリはTMDの専用のもの。モニターSPはケンウッドの小型のものを床に置いた。ふかふかのカーペットの上で、2488とマイクのSM7、TMDのプリを効率よく並べて、時々TVを見ながら。2488はHDの音が小さく、SM7くらいの感度だったらノイズを拾わないので助かる。

7,8TRはMIDIで作成したバッキング2MIX、1,2にVO、3〜6にコーラスを入れる。VOは2TRしかないので、パンチインを駆使して納得のいくものに仕上げる。2488のパンチインはバーチャルTR方式で、何回か録ったものを聞き比べながら選べるので便利。

さて苦労して何とか聞けるVOトラックが仕上がったのが、夜11時過ぎ。これのオケを除いた6TRを24BIT WAV FILEとしてCDRに保存。後日スタジオでPROTOOLSで楽しいMIXが待ってる。(はずだったが)

ここで思わぬトラブルが発生!2488付属のCDRで保存しようとしたときに、DISC ERRが起きた。2488は全てのスイッチの操作を受け付けなくなった。もしかして?悪い予感。8時間もかけたVO TRが〜!

あきらめきれず、明朝一番で、TASCAMに問い合わせてみよう。何かうまい方法があるはずだ。と淡い期待を抱いて床に就いた。

明朝、早速電話してみる。事情を話すと、「電源スイッチを切って元に戻る可能性は高いです。それでだめなら送ってください」「電源スイッチを切ると、それまでのデータが消えてしまうのでは?」「それはそうです。」「録音したデータを救う手立てはないんでしょうか?」「それまでに保存してなかったのなら無理です。」「終わった時点でCDRに保存しようとしたんですが?」ここで相手も申し訳なさそうに、「内部のHDDには記録されてはいるのですが、それを回収できるかは、開けてみてみないと何ともいえませんね。」まあこんな調子で、はたして送って万一自分のVOパートが救われるとしても、この下手な唄が他人に聞かれる可能性もあり、ましてや、こんなもののためにわざわざ送ってきたのかい!とか思われるのもいやなので、今回はあきらめて後日再録音することにした。作品にまつわる、いい?思い出として飾っておこう。
世界水泳やフィギアスケート、プロ野球の開幕と、このところスポーツの話題が豊富でついTVに見入ってしまう。

昨日のシンクロソロの原田選手の演技は、いかにも日本的個性が充満していて3位という順位に不満を覚えるほど。

それは、海外の大型でスタイリッシュな選手が、素人目に見ても優雅で伸びやかな演技をしていたのとは対照的に、ストイックで正確で厳しい、非常にテンションの高いものであったので、短い演技時間の中で、見ていて張り詰めた緊張感が素晴らしいものであった。

こういった日本的美質も最近はほとんど見かけなくなった。スポーツ選手はより大きくパワフルになり、生活も欧米化、なにか日本全体が肥満体質になっているように感じる。これも長い年月の間の一過程と考えれば心配はいらないのかも知れないが、昔からあった日本独特の精神性は失われつつあるのは残念だ。

そういった意味で、パイレーツの桑田投手には期待している。ちょっと遅すぎた挑戦かも知れないが、是非メジャーに残ってもらいたいものだ。
世界スキーの札幌ジャンプ大会は日本が辛うじて3位に入り、地元開催の意地を見せたが、何か寂しい限りだ。

10年前なら当然優勝を狙える位置にいたわけだから。あれからルール改正とかいろいろあったが、ベテラン頼みで、岡部や葛西がいまだに、日本を引っ張っている現状では先は明るくない。

今回、伊藤と栃本という若い二人も活躍して、未来は明るいような記事もあったが、世界はさらに若く優秀な選手が台頭している。日本選手との飛距離は平均20mくらい差があるように感じる。

複合も全く駄目で、モーグルも新しい才能は見られない。フィギアスケートだけが期待できる状況だが、やはりこれも少子化の影響なのだろうか?

軽やかにはばたく、天才ジャンパーの出現を待ち望みたい。
先日、NHKのお昼のニュースを見た後、そのままTVをつけっ放しにしていたら、ローカルの風物詩というか、田舎の町の風景とインタビューをやっていた。

ボケッと見ていたら、はっとした。のどかなインタビューの間から聞こえる背景音が異常にリアルなのだ。勿論TVの音だ。アナウンサーや町民の声は聞きなれた普通の音。しかしバックで流れる背景音(水のせせらぎや風の音、鳥の鳴き声等)は、目をつむると、まるでそこにいるかのような臨場感がある。突然カラスの鳴き声、TVから3mはなれて見てる私の頭上右上に定位する。びっくり!!

これがオーディオかと実感した。皮肉にも安物のTVの音で。おそらく背景音を録っているマイクはビデオカメラ内蔵のものだろう。この番組はよくある海外ロケの絶景を収めたドキュメンタリーなどとは違って、お気楽な身の回りの風景を毎日放送しているものだ。予算も限られているはずだ。

自室のTVの両脇には、20年来音楽を楽しませてもらっている英国製のスピーカーが置いてある。30cmウーファのリニアフェイズ3WAYだ。昔、TVの音をこのSPを通して聞いていたことがあった。しかしすぐ止めた。理由は違和感があったから。TVの音は内蔵のSPで聞くのがBESTと悟った。

例えば海外ロケの絶景を収めたドキュメンタリーをこのSPで聞くとしよう。中高域は粒立ち過ぎ、中低域は分厚く、台詞はスポットライトをあびたように前に浮き出る。厚化粧で演出過剰な重苦しい芝居を見てるような感じだ。

しかし一旦音楽ソフトをかけてみると評価は逆転する。音楽は人工的なもの。個の意識(感性)と計算から生み出されたアーティスティックなものだ。さり気なさにも、意識が息づいている。環境音を聞いて安らぐ事はあっても感動することはあまりないだろう。音楽は知的好奇心をくすぐり、ユーモアがあって、時に希望や感動を与えてくれる。真実でなくとも騙されて幸せになれる世界だ。

音楽により深い感動を求めれば求めるほど、オーディオの本質からは離れていくのかもしれない。私は音楽が好きで、好みの音楽が自分の理想のイメージでなるように調整しがちなので、オーディオ的客観性は全くないだろう。しかし一方で、バーチャルリアリティの世界も好きなので、ポータブルDATと小型マイクで自然音や街の音を録音するのも機会があればやってみたい。

えっ〜DATって、もう古いんですか?
正月は過ぎても、素人の機械いじりは続いてる。「土壷にはまる」という言葉があるが、こちらは結構楽しいのでそれは当てはまらない。

さて、ここ2〜3日はアース関連の調整をやっていた。スタジオではパソコンで疲れないようにと気休めでテスラクランプ(電磁波予防機器)を前から使っていた。これが、オーディオの1点アースに役立つのではないか?今更地中深くに穴を掘って銅版埋めて壁を貫通させる(アース工事)のはやる気がない。これでお手軽に、と考えたのである。

実際、つないでアース電位を測ってみると、3分の1から10分の1程度に下がる。効果はあるようだ。エアコンのアース端子にもつないでもみたが、数字上は同じくらいだった。早速、プリアンプ、CD,DAC,パワーアンプからアースをとって一箇所にまとめテスラクランプにつなぐ。音を出してみる。ややハイあがりだが、締まって解像度が高い。ハイファイサウンドだ。やや疲れる音だが。まあ激変といっていい変わりようだ。

しかししばらく聞いてるとやはりきつい。ちなみに使った線は、全てWEの22AWGブラックエナメルだ。太いのは使いづらいし、音の傾向もよくわかっていたので、これを使ったのだが。たしかにこの線のキャラクターが出ている。そこで、プリアンプからの単線に撚り線を加えた。それでしばらく音をかけっぱなしにしていると、なかなか快適な音になってきた。何と言うか中高域の細かい音がシャッキリと出てくる感じ。こもりがなくなる。

ただしテスラクランプは自宅に持ち帰る事にした。家のシステムでも試したかったから。それにエアコンのアース端子が使われてないので、ここではそれを使う事にした。ついでにSPもつなげればと思っている。
3,4日は急に出勤になってしまった。といってもスタジオは暇なので、どうということはないが機械いじりはお預けを食らった感じ。2日までで、ヒューズを固定した後ライントランスを試すところまではできた。ライントランスをライン経路に挿入することでCDをアナログライクな音に変えることができる、と言う話は前から知っていた。

アンバラ〜バランス変換にもトランスが使われる。現に自宅のプリアンプではパワーアンプまでは、バランス接続で、出力部はトランスによるバランス回路が入っている。昔からこういった方法は鮮度の問題やトランスによる音色の脚色があり、あまりハイファイ的立場からは敬遠されていて、バランス回路もトランスを使わない入り口から出口までフルバランス回路(例えばアキュフェイズとか)が評価されていたように思う。だからイメージ的にはトランスを入れると鮮度が落ちて、情報量が減った落ち着いた丸い音になると思っていた。

早速、DAのOUTから自作したトランスを通して、プリアンプにつないでみる。トランスといってもヤフオクで1000円程度で落札した600Ω1対1の基盤用の小さなものが二つ。それを基盤がないので直接ピンにハンダ付けしたもの。取りあえず音が聞ければいいので、それをパーツテスターのケースの中に入れ、RCAジャックにハンダ付けした。配線材は勿論VINTAGE線(1940以前のもの)を使った。しかし不器用なことと、基盤用で細かい作業だったので結構時間はかかってしまった。

果たしてどんな音が出るのか?クラシックの室内楽を聴いてみる。弦楽器はねばりのある音色。中高域は艶っぽい。ピアノは風格のある音色。中低域の押し出し感があり、音像の輪郭も、太い鉈でザックリと切ったような堂々としたもの。TDA1543のイメージからは遠いが、相性は悪くない。音像を立体的に提示させるが、SPのまわりにふわっと漂うような雰囲気はない。大編成のシューベルト「グレート」これは抜群に良かった。彫りの深さや前後の遠近感が充分出てホールの広さを実感できる音。室内楽では大げさに感じたところも充分魅力的に聞こえる。ただし両方とも、中高域の多少の硬直感や情報量が整理される等、音楽(再生芸術)的とは言えるけれど、ハイファイかと言えば、そうともない言えない事などの欠点も見受けられる。

その後JAZZVOやPOPSのVOも聞いてみたが、印象は変らずソースによって向き不向きがある。それらは、こういったキャラクターを考えれば容易に判断でき好みに合わせることは難しくはないはずだ。今回のトランスはオーディオとは無縁の医療機器メーカーのもので、最近評判のクリプトンやLUX,マランツ等の専業メーカーのものや、WEなどのVINTAGEものを使うとどうなるのか、興味深く今後機会があれば試したい。またトランス前後のケーブルや内部の配線材でも微妙とはいえないレベルでトーンの変化があり、それらをつめていけば、かなり優秀なシステムになり得るかもしれない。
年末年始はほとんどTVを見ることもなく、家で寒さをしのぐという毎日。一週間分の食料を買いだめすれば、食事に外へ出かける必要もなくなるからいわゆる一人合宿気分で過ごせる。といっても雑用もあるわけで、何日かは外出するのだが。

さてこの一週間で何をするか?とりあえずは目の前の関心事を、片付けていくことになる。暮れは全日本フィギアで感動させられ、ジャンプ競技の見られない寂しさを埋め合わせてくれたが、年末年始は何もない。

とりあえず機械いじりでもするかと、気になっていたDAC内部のヒューズ交換をやってみた。通常タイプ、コバルト、アポQ,SBF-A,SBF-ASの合計5種類。DACはTDA1543のパラタイプ。通常タイプは全く問題ない音。これで充分と思える。コバルトを聞いてみる。やはり違う。音がピュアに聞こえ自然。とてもいい。アポQはいろんなオーディオ用ヒューズのいいとこどりをしたタイプ。コバルトに比べ作られた感じがする。あまり好きなタイプではない。SBF-Aに変えると、スケールが一段と大きくなる。厚みも凄い。分厚い音という感じで、世間での高評価がうなずける。SBF-ASはAタイプから分厚さをノーマルにして、高域に繊細さが加わった感じで左右のスケール感は遜色ない。どちらもハイファイな音と感じる。さてDACに入れるヒューズを決めなくては〜。TDA1543にはコバルトを入れた。TDA1543の自然な音がコバルトヒューズの音とマッチしていると感じたから。SBF-ASも良かったが。SBF−AはPCM61P,SBF-ASはPCM1794に入れた。組み合わせは難しいが気に入らなかったら入れ替えればいいだけの話だ。

年末にジャンク(トランスのうなり)で購入したTDA1543だが、底板のトランスの固定ネジがゆるんでいたようだ。きつくしめなおすと音は静かになった。TDA1543はBBのチップより柔らかくピュアで繊細なタッチが好きだ。このジャンク品も現在の形になるまで、他にもいろいろあったのだが、それはまた後日ということで、年初めはモーツアルトの19番、20番でピュアな一日が過ぎていった。
私のメインSPは今現在、ごきげんなVINTAGE SOUNDを堪能させてくれている。このVINTAGE SOUNDの正体をここ数年探し続けていたのだが、これが〜というのが、やっと聞こえてきたということだろう。

VINTAGE SOUND=甘くてまったりした音とか、異常に色気たっぷりの女性VOが空間にぽーっと浮かぶとか、いろんなイメージがあったが、今ここで出てる音はそれとは全く違う。よく言われる枯れた味というのは、多少当たっていると思う。枯れた=湿度感の低いというなら。中高域〜高域の音質は渇き気味で情報量が凄いから位置関係もしっかり再現する。中域から低域にかけての解像度は高く、音圧感も充分。全体的に切れが抜群で、音像もきりっと立つし、音場も抜群の情報量のおかげで、広く深い。というより正確というべきか。

ここでハイエンド(高額)なHIFIとVINTAGE HIFIの違いについて書くと、作り物と、よりリアルな生音と言った違いか。生音には汚い音や、若干の歪等、耳にやさしくない音も含まれる。しかし情報量は圧倒的で、そのままダウンサイジングしたものが、VINTAGESOUNDと言えそうだ。ハイエンドオーディオは蒸留水的に不純なものを除去して圧倒的になめらか、清らかな世界を狙ったものだろう。血の通った温度感や生々しさよりは、人工的な美しさを求める傾向にあるように思う。勿論そういう世界も好きではある。

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